心理学科
遠距離恋愛が難しいワケ
心理学でわかるの?!
遠距離恋愛の難しさにも科学的根拠が。社会的状況から人を捉える心理学
「こんなに愛し合っているんだもん、離れていたって大丈夫!」…遠距離恋愛ではしばしばこうした言葉が語られますが、なかなか長続きしないのが現実ですよね。
できれば頻繁に連絡を取り合い、実際に会うのが一番。このとき、頑張って旅費を貯めて何時間もかけて来てくれた恋人に対して、「あら、来たの」なんてつれない対応は禁物。会える喜び=「利益」と費やした時間や費用、心労=「コスト」が見合わなければ、気持ちは冷めてしまいます。これを「社会的交換理論」と言います。
「個」の性格に着目するだけでなく、このように「ある社会的な状況や条件下で人はどうなるか」を研究するのが社会心理学です。たとえば、突然犯罪を目撃したとき、人はなかなか通報できない、とか、初対面のときの第一印象は覆りにくい、といったことは、実験研究で証明されています。人は、そうなってしまうものなのです。
しかし、だからあきらめようという話ではありません。そうした知識があれば、自分の置かれた状況を客観的に理解して、雰囲気に流されないように気をつけることができます。社会心理学を学ぶことは、世の中の様々な仕組みを理解することにつながるのです。
- 山本 雅代 准教授心理学科・専門分野「社会心理学」