仁愛大学【受験の窓】

心理学科PSYCHOLOGY

悲しいのになぜ?
泣ける曲に癒やされる!

悲しいのになぜ?泣ける曲に癒やされる!

音楽には耳が捉える情報以上の力が。医療にも日常生活にも音楽の力は無限大

悲しいときに悲しい曲を、楽しいときに明るい曲を聴くと癒やされることは、1950年代にアメリカの精神科医、アルト・シューラーが明らかにしました。これは「同質の原理」と呼ばれ、今では音楽療法の基本となっています。

ところで、聴覚情報と視覚情報の相互作用については、面白い実験があります。「が」と言っている人の映像を見せながら「ば」という音を聞かせると、「が」でも「ば」でもなく「だ」に聞こえるというもの。映像と音声が矛盾するとき、感覚は視覚優位となり、耳より目で見た情報に大きく影響されるといいます。

同じ聴覚と視覚でも、音楽と映像の場合はまた違う結果に。たとえば、泣いている人の映像に明るい音楽を合わせると感動のうれし泣きに見え、明るい映像に明るい音楽を合わせると、とびきり明るい印象を受けるという具合。こちらは聴覚優位になるのです。
私たちが五感から得る情報量は、視覚が約8割、聴覚が1割弱、残りが嗅覚・味覚・触覚といわれています。にもかかわらず、「音楽」のときには聴覚優位になるというのは不思議ですね。
毎日耳にする「音楽」ですが、研究してみるとまだまだ面白い発見がありそうですね。

水田 敏郎 教授
水田 敏郎 教授心理学科・専門分野「生理心理学」
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