心理学科
ほら、うちの犬笑ってる
なんでわかんないの〜?!
動物とのコミュニケーションを紐解くと見えなかった人の心が見えてくる
ペットは家族同然。だから犬が笑っているのも手にとるようにわかる…のでしょうか。実は、犬が好きな人は、犬が視線を正面に向けて口を開けていると笑っているように感じる、口を閉じていると真顔に見える、という実験結果があります。ところが、犬があまり好きではない人にとってこの印象はまったく逆。口を開けていると、噛まれるかもしれないという怖さにつながるようです。
つまり動物と人との関係性は、人の心のありように大きく左右されるということ。
犬好きの人は人懐っこい犬とのふれあいに癒されますが、猫好きな人はぷいっと気まぐれな猫の姿そのものが好き。犬派と猫派では、ペットに求める役割も違うのです。
また、犬の散歩をしていると、知らない人が気軽に声をかけてくることがあります。動物好きならきっといい人、という意識が心の距離を縮めるようです。アニマルセラピーが医療の分野で注目されているように、動物とのコミュニケーションが人の心にもたらす平穏は、想像以上に大きいもの。誰かがそばにいてくれるだけで気持ちが安らぐ、という代わりに、ペットがそばにいるだけで救われることだってありますよね。
動物と人の心。紐解いていくとまだまだ何かありそうですね。
- 大森 慈子 教授心理学科・専門分野「対人実験心理学」