健康栄養学科
保健・福祉分野〈介護現場編〉
「おいしい」が高齢者の生きる力につながる。
就職して1年は調理現場での業務を担当、2年目から栄養士業務をしています。厨房に入ることは、調理方法や段取りのスキルアップ、献立の作成にも役立ちます。毎月の行事食や、秋祭り、餅つきといったイベントでは、利用者さんに喜んでいただけるような企画を考え、提供できるのも楽しいですね。栄養士業務としては、多職種間で利用者さんについての情報交換を行い、どんな食事なら食べられるか、状態の改善があるかなど、一人ひとりに寄り添った栄養管理を心がけています。そのためには、利用者さんの状態を常に把握しておく必要があり、まだまだ日々勉強中です。
- 藤田 はるな健康栄養学科 2017年3月卒業
特別養護老人ホーム ガーデンハイツ春江 勤務
藤田さんの主な仕事の流れ
朝礼・スタッフとの情報共有
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献立担当の管理栄養士が、一日の献立と作り方を調理スタッフに説明します。利用者さんの状態によって、飲み込みやすいよう食事の形態を変えたり、栄養補助食品をつけたりする場合もあります。また各施設の状況を把握します。しっかり情報共有し、スムーズに調理が進むように準備します。
給食運営
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各業者から納品される食材が数量通りか、不良品がないか、期限の確認をします。調理をする際は、味見をして盛り付け見本を作成します。利用者さんに喜んで頂けるような食事作りを心がけています。
食事観察(ミールラウンド)
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主に食事意欲がない、体重が減っているなど、特に変化のあった利用者さんに気をつけながら、介護士や看護師、リハビリ職員と共に食事の様子を観察します。食事の形態が、その方の飲み込む力に合っているのかを確認するほか、どんな味が好みかなど、利用者さんに直接ヒアリングも行います。
カンファレンス・ミーティング
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多職種のスタッフとご家族を含めたカンファレンスは、定期的に行われます。管理栄養士は、栄養の摂取状況と栄養ケア計画について、モニタリングに基づいて説明。その方のケアプランを全員が確認します。栄養ケア計画は定期的に見直しを行い、特に体重減少など低栄養のリスクが高い方の場合は、より頻繁に見直しながらリスク管理を徹底します。
利用者さんや季節に応じた献立作成
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旬の食材を使用して季節を感じてもらうように、また食材がかぶらずバランスがとれるよう配慮しつつ、担当期間分の献立を作成しています。通常の献立ができたら、それを基に糖尿病食、減塩食、低残渣食、アレルギー対応食などへも展開。口から食べられない方の経管栄養も考えます。最後に素材のカットの仕方から調理方法までを献立に書き入れ、完了です。