大学学内での講義、実習を通して培った知識や技術を病院などの施設の現場で、実践を通して実践力や応用力を向上させていきます。健康栄養学科では、2年次に1週間の「給食運営実習」を行い、3年次では「給食経営管理臨地実習」または「公衆栄養臨地実習」のどちらか一方の実習を選択し、1週間の実習を行います。さらに4年次では、病院または介護老人保健施設にて2週間の「臨床栄養臨地実習」を行います。実習は病院や福祉施設、学校、保健所、事業所などの現場を通して実践的に学ぶ貴重な学習になります。
学校、福祉施設(保育所、高齢者施設など)、事業所、病院において1週間の実習を行います。校外実習では、大学の授業の給食経営管理論で学んだ給食における栄養管理や衛生管理、作業管理などの給食実務の知識に基づき、学校、福祉施設、事業所、病院において実際の大量調理について理解し実践的な技術を学びます。
学校、福祉施設(保育所、高齢者施設など)、事業所、病院において1週間の実習を行います。給食運営実習は大量調理の実際を学びますが、給食経営管理臨地実習では施設の給食を円滑に運営するために必要な栄養管理、衛生管理、経営管理、人事管理などのマネジメントをこの臨地実習を通して実際に理解します。給食におけるマネジメントを担う管理栄養士の役割について学んでいきます。
保健所や市町村保健センターにおいて1週間の実習を行います。地域の特性に応じた地域住民の疾病対策と疾病予防に重点においた公衆栄養マネジメントの実際について理解し、他職種との連携についても実践的に学びます。
病院・介護老人保健施設において2週間の実習を行います。授業で学んだ臨床栄養学の理論に基づき、疾病者を対象とした病態、栄養食事療法の実際に理解し、実践的な技術を学びます。
臨地実習における学習目標には、「課題発見と問題解決」と「専門的知識と技術の統合」の2つがあります。したがって、臨地実習前には、事前準備に十分な時間をかけて、実習に取り組むにあたっての目標を設定して目的意識を明確にしていきます。また、参加する実習施設の概要や特徴などを予習し、知識の整理や研究課題の検討などを行っていきます。さらに、臨地実習終了後にも各実習施設における実習内容、研究課題の報告、実践の場で学んだことなどの情報交換を行い、大学内での授業で学んだことと臨地実習での実践的な知識や技術を結び付け、知識と技術の統合と向上を図っていきます。
各臨地実習で確認できた知識や技術の不足部分や問題点について再認識して理解を深めます。専門的な分野で学んだ理論と方法論を総合的に応用し、各領域で栄養評価や管理が行える能力を養います。グループワークやグループディスカッション等を取り入れて、臨地実習で経験した内容や症例、カンファレンスなどの内容について理解を深めていきます。
臨地実習報告会は、臨床栄養臨地実習を終えた4年生と公衆栄養実習または給食経営管理実習を終えた3年生が参加する報告会で、臨地実習施設の実習指導者を招いて11月に開催しています。報告会では、実習で行った内容および実習で学んだことを施設別にスライドを用いて発表します。
保健所で活躍する管理栄養士の業務内容は幅広く、食や栄養に関する知識はもちろん法律の知識まで身につけて多職種の方々と連携して働いている姿に感銘を受けました。また、保健センターで離乳食教室や特定保健指導を見学させていただいたほか、「いしかわヘルシー&デリシャスメニュー」のキャッチコピー考案やお菓子に含まれる砂糖の量を視覚的に訴求する教材の作成にも挑戦。地域の人に栄養・食生活について分かりやすく伝えることの難しさを実感しました。将来どんな現場で働くにしても、人に伝える能力は必要なので、今後の学生生活で身につけていきたいです。
菅波彩乃 4年
給食経営管理実習は、大学の講義では知ることができない知識や普段経験できないことが経験できる、とても貴重な実習だと思います。例えば、管理栄養士が行っている業務の一部や他職種との連携、食事で工夫しているところなど、将来、自分が管理栄養士として職に就いて行うかもしれない仕事内容に早くから触れることができます。そのため、管理栄養士の仕事内容がイメージしやすくなりました。給食経営管理実習で得た知識や経験は、今後の自分の強みになっていくと感じています。
中村武司 4年
在学中、福井大学医学部付属病院で2週間の実習をさせていただきました。病態や栄養管理などについて授業で一通り学んでから実習に望みましたが、現場でしか学べないことが多くありました。特に、患者さんは一人ひとり病態や嗜好等が異なっているため、患者さんに合わせた栄養管理を行っている点が印象的でした。また、実際に栄養指導を見学する機会もあり、先生方は患者さんのお話を聞きながら正しい情報を分かりやすく伝えていました。知識を身につけることはもちろんですが、患者さんとのコミュニケーションも必要であり、管理栄養士は人に寄り添う職であると改めて感じることができました。
井上小佑里 2016年3月卒業 坂井市役所勤務
全部で3回ある実習のうち2回を終えましたが、衝撃を受けたのは学校給食センターの実習でした。大学でも100食の大量調理は経験していましたが、給食センターは桁違いの約3,000食 ! 下処理の作業の速さが凄すぎました。実習テーマの衛生面についても、手洗いはもちろん、大量の料理に対して細かく中心温度を測るなど温度管理が徹底されていて、現場の想像以上の厳しさを感じました。4年次夏に予定している病院か老人保健施設での臨床実習は、病気の知識も求められるいっそう難しい現場。より多くの知識を身につけて、対象者に伝わる栄養指導の手法を学んでいきます。
木谷朱里 4年